発行日 2009年4月1日
Published Date 2009/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009178878
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76歳女。主訴は全身倦怠感で、画像上胸部大動脈瘤を認め手術目的で入院した。頭痛・眼症状の明らかな既往は認めなかった。心電図および心エコー所見では左室肥大とIV度の大動脈弁閉鎖不全(AR)を認め、胸部造影CTでは上行大動脈が最大径7cm、無名動脈が径3cm、下行大動脈が最大径4.5cmといずれも拡大を認めた。超低体温循環停止・逆行性脳灌流下にarch first techniqueにて弓部置換術を施行し、弓部3分枝分岐直後をelephant trunk法にて遠位側吻合した。大動脈弁は弁尖の性状・弁輪径が正常であったためST junctionの縫縮を行った。術後、心エコー上ARはI~II度と改善し、独歩退院した。病理所見では、動脈瘤壁の内膜側の中膜に巨細胞を含む炎症細胞浸潤を認め、巨細胞性動脈炎と診断した。
©Nankodo Co., Ltd., 2009