発行日 2006年7月1日
Published Date 2006/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006269250
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急性心筋梗塞後の心室中隔穿孔(VSP)に対する異種心膜を用いたパッチ閉鎖法を報告した.症例は85歳女.急性心筋梗塞後のVSPに右冠状動脈(RCA)への冠状動脈バイパス術(CABG)とウマ心膜を用いたVSP修復術を行った.中隔心筋のみを切除し,VSP周囲にはマットレス型に針を刺入し,健常である左心室側中隔に針を出した.パッチにはウマ心筋を用い,ウマ心筋は辺縁から2cm内側に刺入し,心筋の端をスカート状に大きく余らせた.術後経過は良好で,遺残短絡を認めなかった.この方法を,提示の症例を含めた6例に用いたところ,1例で遺残短絡を認めたが,再手術は必要としなかった.これらの工夫は術後の低心拍出量症候群や遺残短絡の予防に有効であると思われた
©Nankodo Co., Ltd., 2006