発行日 2011年5月1日
Published Date 2011/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2011245561
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著者らが手術を行った急性心筋梗塞後の心室中隔穿孔(VSR)13例(男性7例、女性6例、平均年齢74.4歳)の治療成績について検討した。全例、ショック状態および肺水腫を呈し、緊急手術が行われた。術前IABPは12例で使用され、術式はすべてinfarct exclusion法を施行、適宜にCABGを追加した。内訳は左冠状動脈下行枝病変に起因した前壁梗塞(A群)が9例で、右冠状動脈病変による下壁梗塞(I群)が4例であった。その結果、1)A群ではVSRの位置は心尖部が8例、心基部が1例で、右室梗塞の合併を1例で認められた。CABGは4例に追加され、またCPB離脱不能は2例(22%)で、手術死亡は2例(22%)で確認された。2)I群ではVSRの位置は全例が心基部で、右室梗塞は1例で認められ、CABGは1例、MVRは1例で追加された。一方、CPB離脱不能は2例(50%)でみられ、手術死亡は2例(50%)であった。3)A群の心尖部VSRに対する手術成績は比較的良好であったが、I群の心基部近傍のVSRやA群の高位VSRの成績は不良であった。
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