発行日 2009年2月1日
Published Date 2009/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009114895
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55歳女。52歳時に左房粘液腫摘出術の既往があった。労作時息切れが出現し、胸部X線で心胸郭比54%、CTでは左房内に辺縁不明瞭な低吸収域の腫瘤を認め、一部が左室内へ突出していた。経胸壁心臓超音波では左中隔壁に付着する可動性の腫瘤を認め、拡張期に左室へ突出していた。左房粘液腫の再発と診断し、準緊急的に手術を施行した。前回の手術は経中隔経由で左房へ到達し、腫瘍切除後に自己膜で欠損孔を修復していた。今回も同様に経中隔アプローチとした。手術所見で、前回手術の影響で心臓周囲には高度の癒着があった。心停止、右房切開後、前回手術時の自己パッチ部に切開を加え左房内を観察すると、巨大な粘液腫を認めた。腫瘍を自己心膜パッチと共に一塊にして完全切除し、残存腫瘍がないことを確認後、心内膜を修復し、心房中隔欠損部はダクロンパッチで閉鎖した。病理診断は粘液腫で、前回と同様の所見であった。術後経過は良好で、術後14日に退院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2009