発行日 2007年3月1日
Published Date 2007/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007150042
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61歳男。3年前頃から左下肢脱力、左半身不全麻痺を自覚しラクナ梗塞の診断で抗血小板薬を投与されたが、左半身の痺れより出血性脳梗塞の診断で当院を受診した。頭部CTでは、右前頭葉に低吸収域中に一部高吸収域を認め、T1強調画像で低吸収域中に一部高吸収域を、T2強調画像で高吸収域中にヘモジデリンリングを伴う高吸収域を認め、右被殻部と前頭葉に7と8mm大の別の梗塞巣を認めた。経食道心エコーより心房中隔に付着する多房性の等エコー腫瘤を認め左房粘液腫に合併した出血性脳梗塞と診断した。短期間に複数回の脳梗塞を起こしていることから、発症10日目に出血性脳梗塞急性期開心摘出を施行し、心房中隔卵円窩に茎を有する腫瘍を心房中隔壁とともに切除した。人工心肺中の抗凝固管理にはHeparin sodiumとFUTを併用し、13日目には出血巣の縮小を認め神経徴候の悪化もなく17日目に退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2007