発行日 2009年2月1日
Published Date 2009/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009114894
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45歳女。右前胸部痛を主訴とした。胸部単純X線で右の横隔膜全体の挙上影を認め、超音波で肝臓の頭側に横隔膜を挟んで10cm大の嚢胞像を認めた。CTの前額断像でも右横隔膜直上に10cm大の嚢胞を右心房に接するかたちで確認した。嚢胞壁内面は平滑で、内腔に明らかな実質部分はみられなかった。内容液も均一で、嚢胞内に隔壁構造は認められなかった。胸腔内に発育した心膜嚢腫と診断し、胸腔鏡下にダブルバルーンカテーテルを用いて摘出術を施行した。巨大嚢胞はダブルバルーンカテーテルを用いて内溶液を吸引後に切除し、術中の迅速病理組織検査では心膜嚢腫の診断で、悪性所見はなかった。術後経過は良好で、X線で異常陰影の改善を認め、自覚症状も消失した。
©Nankodo Co., Ltd., 2009