発行日 2005年6月1日
Published Date 2005/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005223333
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
49歳女.左肺異常陰影を主訴とした.胸部X線で左肺野に最大径約15mmの境界明瞭な腫瘤陰影を,CTでは左肺S1+2領域に境界明瞭,辺縁整で内部均一の腫瘤陰影を認めた.過誤腫あるいは肉芽腫,炎症性偽腫瘍等の良性病変を疑ったが,確定診断,治療目的で手術を施行した.病理組織所見では,腫瘍は好酸性に染まる豊富な細胞質を有する短紡錘形の腫瘍細胞が充実性に結節状ないし同心円状に渦巻状配列を呈しながら増殖しており,砂粒体の形成も認めた.腫瘍細胞は核異型性に乏しく,核分裂像や壊死はみられなかった.一方,免疫組織化学染色所見ではvimentinとEMAが陽性で,S-100蛋白は一部弱陽性であったが,ほとんどの腫瘍細胞で陰性であった.以上より,肺内髄膜腫と診断,術後14ヵ月経過現在,無病生存中である
©Nankodo Co., Ltd., 2005