発行日 2008年11月1日
Published Date 2008/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009052486
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92歳男。胸痛を主訴とした。単純X線で左胸水貯留、右肺動脈拡大、肺鬱血像を認めた。冠状動脈造影検査で左冠動脈主幹部(LMT)に石灰化と80%の狭窄、左前下行枝(LAD)基部に90%の狭窄、右冠状動脈(RCA)近位部に90%の狭窄を認めた。LAD、左回旋枝(LCX)へのはっきりした側副血行路は認めず、LCX近位部に50%の狭窄を認めた。内科的治療は高リスクと考え、緊急心拍動下冠状動脈バイパス術を施行した。両側内胸動脈はin situグラフトとして使用した。第4病日にICUを退室し、第6病日からリハビリを開始した。術後、縦隔炎の発症や胸骨離開はなく、肺炎や脳梗塞等の重篤な合併症もみられなかった。第23病日、徒歩で退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2008