発行日 2008年11月1日
Published Date 2008/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009052488
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41歳女。胸痛、呼吸困難を主訴とした。右気胸の診断で胸腔ドレナージを施行され、軽快退院した。2日後気胸が再発した。CTで両肺野に多発する大小様々な嚢胞を認めた。肺リンパ脈管筋腫症(LAM)を疑い、胸腔ドレナージ後に肺生検も兼ねて胸腔鏡下右肺部分切除術を施行した。比較的大きい嚢胞が存在した上葉の2ヶ所と中葉の1ヶ所を部分切除し、再発リスク軽減のため胸膜擦過による機械的胸膜癒着術、minocyclineによる化学的胸膜癒着術も合わせて施行した。病理組織像で嚢胞壁には紡錘形細胞の増殖を認め、嚢胞壁内には拡張したリンパ管も散見した。免疫染色で紡錘形細胞はHMB-45陽性、α-SMA陽性であり、LAMと診断した。術後は特に合併症もなく経過し、第8病日に退院した。しかし、3週間後に気胸が再発し、ドレーンからのOK-432による胸膜癒着術を追加施行した。その後半年が経過し、気胸の再発はなく、病変の増悪も認めなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2008