局所進行肺癌の治療と成績
局所進行肺癌に対する外科治療
遠藤 誠
1
,
塩野 知志
,
鈴木 克幸
,
鑓水 佳
,
早坂 一希
,
柳川 直樹
1山形県立中央病院 呼吸器外科
キーワード:
腫瘍再発
,
リンパ行性転移
,
腺癌
,
肺腫瘍
,
肺切除
,
扁平上皮癌
,
後向き研究
,
治療成績
,
Kaplan-Meier法
,
TNM分類
Keyword:
Adenocarcinoma
,
Carcinoma, Squamous Cell
,
Lung Neoplasms
,
Lymphatic Metastasis
,
Neoplasm Recurrence, Local
,
Neoplasm Staging
,
Pneumonectomy
,
Retrospective Studies
,
Treatment Outcome
,
Kaplan-Meier Estimate
pp.891-897
発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2017404465
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当院で手術を行った局所進行肺癌138例(男性119例、女性19例、年齢中央値69歳)の術後成績について検討した。その結果、全体の5年生存率は50%、10年生存率は32%であった。T因子別の5年生存率では腫瘍径(5~7cm)が60%、腫瘍径(>7cm)が35%と有意差はないものの、腫瘍径が大きい場合の予後は不良であった。補助療法ごとの5年生存率では、術前導入療法施行群は77%、術後補助療法のみは50%、両者とも未施行群は48%で有意差はなかった。病理病期別の5年生存率はIIB期が57%、IIIA期が38%、IIIB期が27%であった。病理分類別ではpT4N1とpT4N2-3の5年生存率は0%で、予後不良であった。リンパ節転移の有無ではpN1群、pN2-3群の予後が有意に不良であった。遠隔転移は腫瘍径(5~7cm)の群では21%、腫瘍径(>7cm)の群では46%に認められ、完全切除にもかかわらず、遠隔再発を多く認められた。今回の検討では、pN因子のみが予後因子であることが示された。
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