発行日 2008年7月1日
Published Date 2008/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008256264
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術前画像検索で遠隔転移やリンパ節を認めず、腫瘍最大径1cm以下の原発性肺癌62例(男34例・女28例・平均64歳)に対する手術成績を報告した。術式は肺葉切除・リンパ節郭清の標準術式が37例(A群)、部分・区域切除の縮小手術が25例(B群)であった。術中迅速病理診断で細気管支肺葉上皮癌(BAC)の場合はすべて積極的縮小手術とし、それ以外を原則的に標準術式とした。病理組織型は腺癌49例、扁平上皮癌8例、カルチノイド2例、大細胞癌、小細胞癌、腺扁平癌各1例で、迅速病理診断BACの14例は永久標本でもBACであった。術後病理病期はStage IAが57例、IBが2例、IIAが1例、IIIBが2例であった。累積生存曲線における5年生存率は90%、10年は84%で、A群はそれぞれ91%、84%、B群は90%、90%と有意差はなかった。なお非浸潤癌(BAC)の5年生存率は100%、浸潤癌は88%と有意差を認めた。在院死は1例、再発死亡3例、術後5年以内死亡2例であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2008