発行日 2008年12月1日
Published Date 2008/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009042208
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69歳女。呼吸困難が出現し、急性僧帽弁閉鎖不全症による急性心不全と診断され、挿管・人工呼吸器管理を行った。薬物治療を開始するも改善せず、人工呼吸器から離脱できないため、第17病日に僧帽弁形成術を施行した。麻酔導入直後に気管チューブから大量の出血を認め、気管支ファイバー検査でチューブ先端付近の径3cmの炎症性肉芽からの出血を認めた。大量出血にてチューブ閉塞となり、経皮的心肺補助装置(PCPS)を導入した。気管チューブを分離換気チューブに入れ替え、片肺換気として止血を試みたが、肉芽自体に痰や血液が付着し粘稠となっており、肉芽でチューブ先端が閉塞して換気ができず、気管支ファイバーによる肉芽除去も困難であった。このため気管チューブを抜去して胃内視鏡を気管に直接挿入し、出血部肉芽を電気メスで焼灼止血しながらバスケットカテーテルで肉芽を除去した。その後再挿管を行ったところ換気可能となり、PCPSから離脱できた。全身状態改善を待って僧帽弁形成術および三尖弁形成術を施行し、術後経過良好で退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2008