発行日 2008年7月1日
Published Date 2008/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008256278
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症例1:31歳男。胸部痛と呼吸困難が出現し、X線・CTで左肺の著しい縮小を認めた。気胸の診断で胸腔内持続吸引を行ったが十分な拡張が得られず、壁側胸膜と肺表面との間には空間があり、ドレーンは下方へ屈曲せず胸腔内で上方縦隔側に伸びていた。CTで巨大肺嚢胞に圧排されたドレーンを確認し、肺嚢胞穿刺にて減圧が得られ、その後症状は改善した。入院7病日に左開胸で肺嚢胞切除縫縮術を施行した。肺嚢胞は上下葉間に広基性に底部があり、胸腔鏡手術では底部まで縫縮できないと判断し開胸した。術後12日に退院し、左肺はほぼ完全に拡張した。症例2:49歳男。胸部痛・呼吸苦が出現し、右肺の著しい縮小を認めた。気胸または肺嚢胞の診断で胸腔内持続吸引を行ったが、症例1と同様の所見を認め、症状改善後の入院4病日に右胸腔鏡下肺嚢胞切除を行った。上葉に広基性に底部を持つ肺嚢胞が存在し、癒着剥離のため小開胸を併用した。術後18日に退院し、右肺はほぼ拡張した。
©Nankodo Co., Ltd., 2008