小型肺癌の治療戦略とその成績
末梢型小型肺癌に対する完全胸腔鏡下区域切除術の適応と成績
文 敏景
1
,
奥村 栄
,
坂尾 幸則
,
上原 浩文
,
仲田 健男
,
五来 厚生
,
中川 健
1がん研究会有明病院 呼吸器センター外科
キーワード:
胸腔鏡法
,
外科用ステープラー
,
術後合併症
,
腺癌
,
電気凝固
,
肺腫瘍
,
肺切除
,
治療成績
,
メス
,
胸部CT
,
すりガラス様陰影
,
肺瘻
Keyword:
Adenocarcinoma
,
Electrocoagulation
,
Lung Neoplasms
,
Postoperative Complications
,
Pneumonectomy
,
Surgical Staplers
,
Thoracoscopy
,
Treatment Outcome
pp.35-39
発行日 2012年1月1日
Published Date 2012/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012214654
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末梢型小型肺癌に対する完全胸腔鏡下区域切除術(TS)の適応と成績について報告した。末梢小型肺癌に対してTSを行った46例を対象とした。癌の既往は13例に認め、同時多発肺癌に対する肺葉切除術後に二期的対側TSを4例に行った。喫煙者は13例で、1秒率70%以下の慢性閉塞性肺疾患例は9例であった。消極的TSを行った症例は4例であった。組織型は全例が腺癌で、縦隔リンパ節郭清は2例に行い、残りの44例は肺門リンパ節のサンプリングにとどめた。全例に術中迅速病理診断を活用して、肺門リンパ節転移の陰性を確認した。術中開胸移行例や肺葉切除術移行例はなかった。術後在院日数は平均9.3日であった。術後合併症は6例に認めた。術中死や在院死亡はなかった。両側浸潤癌に対する二期的TSを行った1例に骨転移を認め。45例が無再発生存中である。
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