発行日 2008年2月1日
Published Date 2008/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008135240
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気管支切離を先行させた胸腔鏡下左下葉切除術の術式と手術成績を報告した。手術を行った肺癌手術104例中、左上葉の肺癌は18例で、気管支切離を先行させた胸腔鏡下左下葉切除術は12例に施行した。2群領域郭清9例、気管分岐部の郭清2例、1群のみの郭清1例であった。2群郭清した9例の摘出したリンパ節の個数は13~32個であった。12例の手術時間は75~190分であった。術中出血量は10~400mlで、輸血を施行した症例はなかった。術後ドレーン留置期間は1~3日であった。1例に反回神経麻痺を認めた以外、術後合併症はみられなかった。肺癌の組織型は全例腺癌で、腫瘍最大径は12~33mmであった。胸腔鏡下左上葉切除術では、胸腔鏡で肺門を前下方から覗いて左上肺静脈と左上葉気管支を順に切離すれば、過度に牽引することなく肺動脈を安全で確実に切離できた。
©Nankodo Co., Ltd., 2008