発行日 2006年7月1日
Published Date 2006/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006269245
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
60歳女.主訴は発熱,貧血で,約5ヵ月前にBentall手術,部分弓部大動脈置換術,冠状バイパス術を受けた.経胸壁心エコーでは,大動脈基部のラッピングした瘤壁内へ明らかな血液流入を認めた.血液培養からはStreptococcus morbillorumを検出した.人工弁感染性心内膜炎(PVE)と診断し手術を行った.弁輪部は,compositeグラフトを弁輪に逢着した糸が右冠尖側と無冠尖側で外れ,脆弱な壊死組織がみられた.compositeグラフトを全て切除し,Full root法でFreestyle生体弁を逢着した.冠状動脈再建に関しては,左冠状動脈はValsalva洞に大伏在静脈グラフト(SVG)の間置を行い,右冠状動脈は前回バイパスしたSVGの中枢側をそのままFreestyle整体弁に吻合した.術後は抗生物質を投与した.術後1年時点で,発熱,炎症反応の再燃は認められない.基部感染を含む大動脈弁位PVEに,Freestyle生体弁と大網充填術の併用は感染予防に有用であると考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2006