発行日 2008年7月1日
Published Date 2008/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008256269
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24歳女。14年前に右上腕骨骨肉腫で切除術およびmethotrexateなど5剤による化学療法を施行された。以後再発は認めなかったが、3年前に右原発性乳癌、翌年に左原発性乳癌(いずれもpT2N1M0、stage IIB)で乳房切除術を受けた。今回、胸部CTで右肺中葉に径1cmの孤発性結節陰影を指摘され当科紹介された。血液生化学検査で異常所見はなく、乳癌または骨肉腫による転移性肺癌と考え、胸腔鏡下に摘出生検を行った。胸腔内に癒着、胸水、播種性病変を認めず、腫瘍は右S5末梢に存在し、把持鉗子で把持して自動縫合器を3回使用し摘出した。摘出腫瘍は1.3cm大の白色、境界明瞭な結節性病変で、組織学的には異型上皮細胞が充実性あるいは管状胞巣を形成しながら増殖し、浸潤性を示していた。特殊染色ではestrogen receptor陽性、progesterone receptor陰性、thyroid transcription factor-1陰性で、左乳房からの転移と診断した。術後経過良好で、5日目に退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2008