肺癌の集学的治療2008年
肺癌術後補助療法としての放射線治療の意義
佐藤 伸之
1
,
渡邉 龍秋
,
宮本 彰
,
今井 督
,
蝦名 昭男
,
甲藤 敬一
,
渡辺 定雄
1青森県立中央病院
キーワード:
リンパ行性転移
,
生存率
,
腺癌
,
肺腫瘍
,
肺切除
,
扁平上皮癌
,
リンパ節郭清
,
アジュバント放射線療法
Keyword:
Adenocarcinoma
,
Carcinoma, Squamous Cell
,
Lung Neoplasms
,
Lymph Node Excision
,
Lymphatic Metastasis
,
Pneumonectomy
,
Survival Rate
,
Radiotherapy, Adjuvant
pp.19-23
発行日 2008年1月1日
Published Date 2008/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008133506
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1989~2003年の肺癌手術例966症例中、術後補助放射線治療を施行した非小細胞癌61例(34~79歳、中央値64歳)を対象に、術後放射線療法の意義や適応について考察した。1)全例の5年生存率(OS)は56.0%、5年無再発生存率は(DFS)は39.7%であった。2)照射目的別に局所進展群12例(A群)、リンパ節転移群38例(B群)、両者進行群8例(C群)に分けて検討したところ、A群はOS 71.6%、DFS 68.6%で、無再発生存は8例であった。組織別の差はみられなかった。B群はOS 50.7%、DFS 31.0%で、組織型の差があり、non-scc群の再発例が多く、遠隔転移の割合が高かった。C群はOS 46.9%、DFS 42.9%で、scc群では3例が無再発生存であったが、non-scc群は全て遠隔転移を来していた。3)全体のN2群の検討では、single-station N2群(18例)の予後がmulti-station N2群(20例)よりも良好である傾向にあり、DFSでは有意差もみられた。これはscc群で顕著であり、9例中8例が5年生存しており、うち7例が無再発生存であった。
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