肺癌の集学的治療2008年
術前導入化学療法、術後補助化学療法における抗癌薬感受性試験(HDRA)の有用性
棚橋 雅幸
1
,
山田 健
,
森山 悟
,
鈴木 恵理子
,
丹羽 宏
1聖隷福祉事業団総合病院聖隷三方原病院 呼吸器センター外科
キーワード:
Carboplatin
,
Cisplatin
,
腺癌
,
扁平上皮癌
,
肺癌-非小細胞
,
Paclitaxel
,
アジュバント化学療法
,
大細胞癌
,
ネオアジュバント療法
,
Docetaxel
,
Gemcitabine
,
Irinotecan
,
HDRA法
Keyword:
Adenocarcinoma
,
Carcinoma, Non-Small-Cell Lung
,
Carcinoma, Squamous Cell
,
Cisplatin
,
Carboplatin
,
Chemotherapy, Adjuvant
,
Paclitaxel
,
Carcinoma, Large Cell
,
Neoadjuvant Therapy
,
Irinotecan
,
Gemcitabine
,
Docetaxel
pp.26-30
発行日 2008年1月1日
Published Date 2008/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008133507
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2001年から組織培養法抗癌薬感受性試験(HDRA)を導入したので、その成績を報告した。対象はHDRAに基づく化学療法を術前後で施行した肺癌切除70症例(41~78歳、平均62.3歳)とした。各症例で測定可能であった薬剤数は平均5.1剤で、陽性薬剤を平均1.4剤認めた。陽性薬剤を4剤確認した症例が4例ある一方で、1剤も確認できなかった症例が10例あった。陽性薬剤はpaclitaxelが54例で最も多かった。術前導入化学療法を16例に施行し、奏功率はHDRA陽性薬剤2剤投与群では100%であり、陰性薬剤による奏功率は0%であった。更に陽性薬2剤投与群5例では2例に再発が認められているが、観察期間12~58ヵ月で全例生存中である。術後補助化学療法は61例に施行され、III期肺癌39例の場合、陽性薬剤2剤投与群14例の5年生存率92.9%、陽性薬1剤投与群+陰性薬2剤投与群25例の3年生存率48.8%、5年生存例はなかった。III期肺癌に対する陽性薬2剤投与群は、平均観察期間は25.5ヵ月であるが、他群よりも有意に予後良好であった。
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