発行日 2004年1月1日
Published Date 2004/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2004199691
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末梢型小型肺癌に対するセンチネルリンパ節生検による新しい術中リンパ節stagingの妥当性を検討した.胸部・頭部・腹部CT,骨シンチにて臨床病期IA期原発性非小細胞肺癌と診断され,センチネルリンパ節生検を試みた症例のうち,実測腫瘍径が20mm未満でradioisotope(RI)をトレーサーとして用いた24例を対象とし,リンパ節の放射能測定を行った.その結果,20例(83.3%)でセンチネルリンパ節の同定が可能であり,その感度・特異度はともに100%であった.生検に伴う合併症として4例に気胸がみられたがいずれも処置を必要とせず,本法に伴う患者および医師,看護師の被曝線量は軽微であった.臨床的にリンパ節転移を認めない末梢型小型肺癌において,RIを用いたセンチネルリンパ節生検はリンパ節への転移状況を正確に診断しうる方法であり,新しい術中リンパ節stagingとして妥当である可能性が示された.本法により末梢型小型肺癌における肺門,縦隔リンパ節サンプリングを省略できる可能性が示唆された
©Nankodo Co., Ltd., 2004