発行日 2004年1月1日
Published Date 2004/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2004199702
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末梢型小型非細胞肺癌における縦隔郭清省略の条件を検討した.1986年から2002年までに標準手術を施行した肺癌723例(腺癌459例,扁平上皮癌264例)を対象とし,リンパ節転移の有無を組織型,発生部位,腫瘍の大きさ別に検討した.発生部位は右を上葉,中葉,下葉S6,下葉底区の四つに,左を上葉上区,舌区,下葉S6,下葉底区の四つに分け,腫瘍径は1cm刻みに分類した結果,腺癌および扁平上皮癌ともに右上葉,左上葉上区では腫瘍径1cmを超えた症例に縦隔リンパ節転移を認め,舌区,下葉S6では腫瘍径2cmを超えない症例には縦隔リンパ節転移を認めなかった.今回の検討では,腫瘍径1cm以下の肺癌および中葉・舌区・下葉発生で腫瘍径2cm以下の扁平上皮癌では縦隔郭清を省略できる可能性があると考えられ,他の肺葉についても症例数を重ねて検討する必要があると考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2004