発行日 2006年1月1日
Published Date 2006/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006105425
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他肺葉内転移を伴う肺癌手術について検討した.対象は1984~2003年までに完全切除術を行った原発性肺癌845例中のpm2症例14例(1.7%:男性10例,女性4例・平均年齢63.4歳)であった.1)組織型は腺癌7例(うち細気管支肺胞上皮癌:BAC 2例),扁平上皮癌5例,腺扁平上皮癌2例,pm2病巣部位は同側他肺葉13例,対側肺にも及ぶもの1例であった.2)原発巣には肺葉切除以上の切除と2群以上のリンパ節郭清を,pm2病巣には楔状部分切除または肺葉切除を行った.更に術後補助療法として化学療法を5例に,放射線治療を1例に,化学療法+放射線治療を2例に行なわれていた.3)全体の1,3,5年生存率はそれぞれ42.9%,28.6%,9.5%であった.4)調査時点で13例が死亡し,うち11例が肺癌再発による癌死で,他2例は外傷性結腸穿孔,脳梗塞合併による在院他病死であった.他病死以外の12例は,生存例も含め全例に肺癌再発を認め,肺内転移を9例,他の遠隔転移を3例に認めた.5)組織型がBACの症例,胸膜浸潤や胸膜播種のない症例では,比較的良好な予後が得られた
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