発行日 2007年12月1日
Published Date 2007/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008116828
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
Brugada症候群は明らかな心疾患のない患者にみられ、心室細動(Vf)発作による突然死の可能性があり、男性に圧倒的に多い。本症候群は無症候時の特異的な心電図波形であるcoved型波形を確認することが絶対条件で、心室細動発作、自然停止の多形性心室頻拍、失神、夜間の呻くような過呼吸、45歳以下の突然死の家族歴、coved型波形の家族歴、電気生理学的検査でのVf誘発のいずれかの臨床情報を有するもので、植え込み型除細動器の適応となる。心電図波形のみの場合は、Brugada型波形例と分類され、経過観察が必要である。臨床現場でよく遭遇するBrugada型波形はsaddle-back型である。このSaddle-back型心電図波形をみて基質の有無を予測する方法として、V2誘導とV5誘導のJ点の位置を比較する方法を提案されている。尚、V2誘導のJ点の遅れは心室遅延電位陽性、電気生理学的検査におけるVf誘発の有無とも関連があり、saddle-back型心電図のリスク評価に有用な心電図マーカーと考えられている。
©Nankodo Co., Ltd., 2007