発行日 2005年11月1日
Published Date 2005/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006051518
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非虚血性の僧帽弁閉鎖不全(MR)を合併した虚血性心疾患患者3症例(全例男性,症例1;75歳・症例2;42歳・症例3;67歳)に対して心拍動下冠動脈バイパス術(OPCAB)に引き続き僧帽弁形成術(MVP)を施行した.CAGでは症例1・3には3枝の,症例2には2枝の狭窄病変を認め,左室駆出率は症例1が66%・症例2が69%であったが,症例3は40%に低下していた.OPCABは症例1ではRA-LAD,SVG-D1・OMに吻合,症例2ではLITA-LAD,RITAとRAを一体グラフトにして#4PD・Cx14に吻合,症例3ではLITA-LAD,SVG-Cx14・OM・D1に吻合した.OPCAB中の血行動態には大きな変化はなく,MRの増強も認めなかった.その後,人工心肺を開始し,大動脈遮断下にMVPを施行,3例とも術後合併症なく軽快退院となり,術後CAGにてバイパスの開存が確認された.以上より,OPCAB中経食道心エコーでのMR変化観察,各種モニターでの血行動態の変化の検討により手術が安全に施行可能であると考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2005