発行日 2007年11月1日
Published Date 2007/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008042655
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55歳男。肝腫瘤の精査を目的に受診した。胸腹部CT検査で最大横径6.0cmのCrawford分類typeIIIの胸腹部大動脈瘤と診断された。最近臨床応用が可能となったGealweave Coselli Thoracoabdominal Graftに肋間動脈再建用としてあらかじめ3本分の分枝を縫着し、腹部分枝を個別に再建した。体外循環時間198分、手術時間12時間40分であり、出血傾向を認めたため新鮮凍結血漿と血小板輸血を行ったが、特別な続発症を認めず術後29日目に独歩退院した。本人工血管は遠隔期のvisceral aortic patch拡張の懸念がなく、長期予後の改善が期待できる。
©Nankodo Co., Ltd., 2007