発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2004140246
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66歳男.胸部X線像上異常陰影を主訴とした.検診で胸部X線の異常陰影を指摘され,CTにて胸部下行大動脈瘤と腹部大動脈瘤を認めた.入院時,大動脈造影検査にて5.0×4.0cm大で嚢状の胸部下行大動脈瘤および腎動脈末梢側に最大径5.8cmで紡錘状の腹部大動脈瘤を認め,これらの重複大動脈瘤に対して一期的手術を選択した.横隔膜より約3.5cm中枢側よりに位置した胸部下行大動脈瘤は,大動脈を遮断して瘤切除と瘤口パッチ閉鎖を行い,腎動脈分枝部末梢側から総腸骨動脈分岐部の中枢側までに及ぶ腹部大動脈瘤は,腎動脈末梢側の大動脈,左右総腸骨動脈を遮断して人工血管置換術を行った.なお,補助手段に一時バイパスを用いることにより血栓塞栓症などの合併症もなく手術を終了した.術後は一過性にT-bil,GOT,GPTの上昇を認めたがいずれも正常化し,その他は経過良好にて退院した
©Nankodo Co., Ltd., 2004