発行日 2008年2月1日
Published Date 2008/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008146463
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28歳男性。発熱と全身倦怠感が1ヵ月以上継続し、呼吸苦が出現した。心臓超音波検査を施行したところ、軽度心嚢液貯留、大動脈弁に径12mmの可動性のあるmassを認め、同部位に逆流ジェットを認めた。血液検査にて炎症所見の著明な上昇があり、感染性心内膜炎による大動脈弁閉鎖不全症(AR)IV度、急性心不全と診断された。心不全症状が重篤で、内科的治療に抵抗性であったため、入院後緊急手術とし、体外循環下でRoss手術を施行した。右室流出路再建はフリースタイル弁およびウマ心膜にて行い、肺動脈弁位にはウマ心膜を用いて右室流出路を再建し、その末梢側にフリースタイル弁を縫着した。血液培養、大動脈弁に付着したvegetationを培養した結果、Streptococcus milleri group(緑色連鎖球菌)が検出された。術後心エコー、MRIにて大動脈弁の接合は良好でAR I度のみ認め、再建した右室流出路に狭窄・逆流を認める所見はなかった。術後31病日、軽快退院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2008