発行日 2007年10月1日
Published Date 2007/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007346111
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59歳女性。検診で胸部単純X線像上異常陰影を指摘された。ダイナミックCTを施行したところ、大動脈相で結節の辺縁に点状の強い増強効果を認め(peripheral puddles像)、平衡相で造影効果は結節内部へと拡大していた。胸部MRIで結節はT1強調画像で低信号、T2強調画像で高信号を示し、造影MRIでは結節の背側辺縁に点状の造影効果を認めた。以上より縦隔原発血管腫を疑い、胸腺腫の可能性も考慮したうえで、胸骨正中切開による腫瘍摘出術を施行した。病理組織学的所見で腫瘍内には内腔に血液を充満した管腔が増生しており、縦隔原発血管腫と診断された。術後経過は良好で、9日目に退院となった。ダイナミックCTで"peripheral puddles"像を認める縦隔腫瘍では血管腫の可能性が高く、これを念頭に治療方針を立てる必要性が示唆された。
©Nankodo Co., Ltd., 2007