発行日 2010年5月1日
Published Date 2010/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2010199018
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
71歳女。咳嗽を主訴に近医を受診し、X線およびCTで胸部腫瘤を指摘され当科紹介入院となった。約20年前に異常を指摘されていたが、X線では左胸部腫瘤による圧排で縦隔の右方偏位を認めた。CTで縦隔から左胸腔内に連続する脂肪濃度の巨大腫瘤を認め、左肺下葉は圧排され虚脱していた。左横隔膜背側に欠損孔を疑った。MRIではT1、T2強調像とも脂肪組織と同程度の高信号を呈し、気管鏡所見は左下葉気管支が壁外性圧排で閉塞していた。用手的胸腔内検索では、腫瘤は縦隔胸膜に覆われ横隔膜、肺、胸壁との癒着は認めなかった。胸骨正中切開で腫瘤を心膜から剥離して胸腺と一塊に摘出した。径27×18×5cmと巨大で病理所見より脂肪腫と判断した。術後、左無気肺と縦隔の右方偏位は改善した。
©Nankodo Co., Ltd., 2010