発行日 2008年11月1日
Published Date 2008/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2009037669
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50歳男性。患者は自発痛を伴う左前胸部の腫瘤を主訴に近医を受診、前胸部軟部腫瘤を疑われ、著者らの施設へ紹介となった。受診時、左前胸部には7×6×2cm、弾性硬で自発痛を伴う境界明瞭な腫瘤が認められた。胸部単純CTでは前胸部と前縦隔に筋肉と同程度の濃度を有する腫瘤が確認され、前縦隔内腫瘤には石灰化病変を伴っていた。また、MRIでは前胸部病変はT1およびT2でやや高信号、前縦隔内病変はT1で等信号、T2で一部に低信号が混在した不均一な高信号を呈していた。以上より、局所麻酔下に切開生検術を行い、腫瘤の本体は前縦隔内にあることを確認し、腫瘍摘出術を施行した。その結果、本症例は病理組織学的に前縦隔に発生した海綿状血管腫と診断され、現在、再発はみられていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2008