発行日 2007年10月1日
Published Date 2007/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007346112
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68歳男性。22年前に洞不全症候群による徐脈に対し左前胸部にペースメーカー植え込み術を施行し、その18年後ポケット感染をきたし心房リードを抜去した。この際、心室リードは抜去できず放置された。以降は感染徴候の改善を認め、右前胸部より再度ペースメーカー植え込み術を施行した。その後は一時的な顔面浮腫の出現や、心電図上心房細動(Af)を認めたが経過観察していた。今回胸部不快感が出現し、胸部X線を施行すると放置した心室リードの一部が肺動脈側に移動していた。右内頸静脈造影にて左右腕頭静脈合流部での上大静脈(SVC)閉塞を認め、奇静脈系の側副血行路を介してSVCに流入していた。左内頸静脈造影でも同じくSVC閉塞が確認された。側副血行路の発達が良好で、内頸静脈の拡張は認めなかった。Maze手術および自己心膜によるパッチ形成術を施行し、術後右腕頭静脈造影で良好な血行再建を確認した。左腕頭静脈造影で血流は良好で、側副血行路を介する血流の減少を認めた。
©Nankodo Co., Ltd., 2007