発行日 2004年6月1日
Published Date 2004/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2004234819
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66歳女.検診時に,右上縦隔の異常影を指摘された.胸部造影CTでは,直径約3cm,ほぼ球形の低濃度領域が上大静脈や右鎖骨下動静脈と接して存在した.病変内部に明らかな造影所見はなかったが,辺縁の一部は造影された.胸部MRI T2強調画像は高信号を示し,周囲との境界は明瞭であった.胸腔鏡手術を行い,腫瘍を完全に切除した.病変は易出血性であり,内腔は古い血液で満たされていた.病理学的診断は血管腫であった.術後3年を経て,無再発である.境界明瞭な縦隔腫瘍の場合,造影所見がなくとも,血管腫を鑑別診断にいれての慎重な術中操作が必要と考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2004