発行日 2007年10月1日
Published Date 2007/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007346109
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8ヵ月男児。Fallot四徴症根治術後、8時間経過して特に誘因なく異所性接合部頻拍(JET)が出現した。電解質補正にてもJETは消失しなかった。そこでnifekalant hydrochloride(NIF)静注を開始し、投与終了と同時にJETは消失し洞調律の回復を得た。術後2日目にNIF投与を終了し、術後5日目で退院となった。しかし術後7日目に軽度の心不全症状をきたして再入院となり、その翌日に再びJETが出現した。術直後と同じ投与方法でNIFを開始したところ再度JETは消失し、その後、洞調律を維持した状態でamiodarone hydrochlorideの内服を開始した。NIFは投与13日後に終了し、心不全症状も改善したため、AMD内服継続のまま再入院17日目に退院した。経過中eQTcを用いて定期的にQT時間をモニターし、退院時には軽度のQT延長(eQTc=430ms)を認めたが、重篤な不整脈の発生はなかった。退院11日後にAMD投与を終了したが、JETの再発はなかった。NIF投与が有効であった事が示唆された。
©Nankodo Co., Ltd., 2007