発行日 2006年3月1日
Published Date 2006/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006153676
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
開心術後に難治性の不整脈を認めた11例(男8例・女3例,平均65.7歳)に対し,nifekalant hydrochloride 0.3~0.4mg/kg/時の持続静注を行った.投与開始時期は体外循環離脱時4例,術直後1例,術後2日2例,術後3~17日4例であった.心室頻拍(VT)は5例で,3例は繰り返し電気的除細動(DC)を必要とし,1例は透析患者で非持続性VTを頻発していた.残り1例は術前よりamiodarone hydrochlorideを内服していた.透析患者は0.1mg/kg/時としたため投与後もVTを認め,多臓器不全で死亡した.他の4例のうち1例は一過性slow VTを認めたが,その後は再発せず,3例はまったく再発がなかった.心室細動は2例で,いずれも再発はなかったが,1例はQTc時間が0.50秒を越え,7日で漸減中止した.心房粗動は4例で,3例は投与開始直後,DC 1回施行後,投与後1日に各々洞調律に復し,残り1例は心房細動に移行し14日目に中止した.全例で心機能抑制は認めず,安全に使用できた
©Nankodo Co., Ltd., 2006