発行日 2008年12月1日
Published Date 2008/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009042213
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症例1:76歳女。労作時呼吸困難が出現し、心エコーで大動脈弁狭窄症(AS)と診断された。手術待機中に心不全が悪化して人工呼吸管理とカテコラミン投与を要し、全身状態改善後に大動脈弁置換術(AVR)を施行した。頻脈性不整脈の予防目的にlandiololを麻酔中から1μg/kg/分で開始し、術後上室性頻拍が出現したが、5μg/kg/分までの増量で洞調律に復帰した。徐脈出現に対しては減量・中止で対処し、経過良好で第15病日に退院した。症例2:71歳女。労作時息切れを自覚し、心エコーでASと診断された。AVRを施行し、人工心肺の離脱は問題なかったが、ICUに移動後心室細動から心停止を来たした。再開胸して心臓マッサージを行い、大腿動静脈から経皮的心肺補助(PCPS)を確立した。心機能は徐々に回復して第2病日にPCPS離脱し、心拍数コントロール目的にlandiololを3μg/kg/分で開始して第5病日まで使用した。頻脈性不整脈や致死性心室性不整脈は認めず、リハビリ後に退院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2008