発行日 2007年7月1日
Published Date 2007/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007262345
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症例は21歳男子大学生で、1ヵ月前から続く咳を主訴とした。胸部X線は、右下葉に境界明瞭で5cm大の円形腫瘤を示した。胸部CTで、右S10に5cm大の腫瘤、3cm大の#10リンパ節を認めた。気管支鏡で右B7~10内腔を閉塞する白色ポリープ様病変を認めた。経気管支生検で扁平上皮癌と診断し、右下葉切除+縦隔リンパ節郭清(ND2a)+肋間筋弁気管支断端被覆術を行った。腫瘍は50×50×44mm大で、右S10を中心に発生した低分化扁平上皮癌であった。また、#3,#7,#10,#12リンパ節に転移を認め、pT2N2M0,IIIA期とした。術後経過は良好であったが、手術から約2ヵ月後、胸部CTで新たに腫大した#3pリンパ節を、気管支鏡で気管下部、右主気管支、中間幹に不整な易出血性小隆起を認め、再発肺癌と診断した。肺門と縦隔に合計60Gy・30回分割照射、シスプラチン・ドセタキセルによる化学療法を行った。術後6ヵ月現在、化学療法を継続中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2007