Pancoast型肺癌の手術
選択術式 導入療法後transmanubrial approachに後方アプローチを加えて切除したPancoast型肺癌
坂口 浩三
1
,
二反田 博之
,
石田 博徳
,
山崎 庸弘
,
坪地 宏嘉
,
金子 公一
1埼玉医大国際医療センター 呼吸器外科
キーワード:
Cisplatin
,
Pancoast症候群
,
気管支鏡法
,
胸部X線診断
,
腫瘍多剤併用療法
,
MRI
,
生検
,
肺切除
,
扁平上皮癌
,
Fluorodeoxyglucose F18
,
ネオアジュバント療法
,
Docetaxel
,
陽電子放射型断層撮影
,
放射線化学療法
Keyword:
Antineoplastic Combined Chemotherapy Protocols
,
Bronchoscopy
,
Carcinoma, Squamous Cell
,
Biopsy
,
Cisplatin
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Pancoast Syndrome
,
Pneumonectomy
,
Radiography, Thoracic
,
Fluorodeoxyglucose F18
,
Neoadjuvant Therapy
,
Positron-Emission Tomography
,
Chemoradiotherapy
,
Docetaxel
pp.35-40
発行日 2010年1月1日
Published Date 2010/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2010091381
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59歳男。右肩甲骨内側痛を主訴とした。胸部X線で右肺尖部に結節影を認め、造影CTでは右肺S1に腫瘤像を認め、第1、2肋骨の破壊を伴い胸壁外側へ進展していた。腫瘤像は腕神経・鎖骨下動脈に広く接し、腕神経下部(Th1)鎖骨下動脈への浸潤が疑われた。胸部MRIの矢状断像で腫瘍は鎖骨下動脈後方に接し、胸郭上口および第1肋間筋へ進展していた。FDG-PETでは腫瘤への高度集積、肺門・気管分岐下への集積を認めた。経気管支肺生検で扁平上皮癌(cT4N3M0)と診断し、術前療法として放射線化学療法を行った。術前療法後の評価はycT3N0M0であった。その後、胸骨柄逆L字切開によるtransmanubrial approachで肋骨前方処理、鎖骨下動脈剥離および頸部リンパ節の郭清を行い、次いでhigh posterior thoracotomyで肋骨後方切離および上葉切除+ND2aを行った。病理組織学的にS1原発の扁平上皮癌、ypT4N0M0、Ef.2、viableな腫瘍細胞はごく一部に認めたのみであった。術後経過は良好で、術後36日より補助化学療法を施行した。
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