発行日 2007年7月1日
Published Date 2007/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007228148
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I期末梢型肺腺癌根治切除例235例を対象として、脈管への侵襲度別に切除成績を比較・検討し、脈管侵襲に基づく予後不良例の選別を試みた。脈管侵襲の程度により5群に分類するとly0v0は126例、ly0v1は17例、ly1v0は42例、ly1v1は23例、lyあるいはvが2つ以上のlyv2-3は27例で、非脈管侵襲例の病期別頻度はIA期61%、IB期31%であった。非脈管侵襲例と脈管侵襲例で5年生存率(5生率)を比較すると、IA期では各々99%、90%、IB期では各々100%、65%で、共に脈管侵襲例の予後は有意に不良であった。また病期別の脈管侵襲の有無と無再発生存率を比較すると、IA期の無再発5生率は非脈管侵襲例94%に比し脈管侵襲例76%と有意に不良で、IB期の無再発5生率は非脈管侵襲例76%、脈管侵襲例54%と共に不良であった。IA期非脈管侵襲例に比し、IA期脈管侵襲例・IB期非脈管侵襲例・IB期脈管侵襲例における再発は高頻度であった。IA期非脈管侵襲例以外はたとえI期であっても再発が多いので、術後化学療法を行うのが適当である。
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