発行日 2005年10月1日
Published Date 2005/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006036373
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局所進行肺癌の外科治療における術前化学療法の治療効果について検討した.対象は,臨床病期III期の症例で導入化学療法施行の23例(A群:男性20例,女性3例・平均61.5歳)と導入化学療法未施行の48例(B群:男性30例,女性18例・平均63.2歳)で,予後を比較した.1)A群の化学療法の効果は部分奏効(PR)20例,安定(SD)3例で,病理学的評価はEf.0 2例,Ef.1 6例,Ef.2 8例,T因子は臨床病期からの縮小が図られていた.2)予後では,3年生存率はA群64.7%,B群32.5%,5年生存率はA群29.4%,B群10.0%であった.3)A群のSD3例(全例がpN2)の予後は,2例が再発による癌死で,1例が間質性肺炎悪化の呼吸不全で死亡した.pN2例で3年生存が得られたのはA群5例中3例(60%),B群30例中11例(36.7%)であった.以上,腫瘍の完全切除と肺機能温存の面から導入化学療法は有用であると考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2005