発行日 2008年11月1日
Published Date 2008/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009052473
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自然気胸における胸腔鏡下手術例を基に追跡率や発生時期を踏まえ、術後再発生率の解析方法を検討した。2000~2005年に手術を施行し、再発の有無が確認できたのは68例74側のうち63例67側で、追跡率は92.6%であった。手術時年齢の平均は35.9歳、中央値28歳、男性58例、女性5例であった。同側の気胸の既往を44.8%に、対側の気胸の既往を34.3%に認めた。平均観察期間は1316日で、67側中4側に再発を認めた。手術から再発までの期間は、144日、345日、476日、616日であった。再発数/手術数からなる単純再発率は6.0%であった。Kaplan-Meier法を用いた1年累積再発率は3.0%、2、3、4、5年累積再発率は6.3%であった。4例の手術から再発までの期間は、全例術後2年以内であり、累積再発曲線は2年でプラトーとなっていた。以上より、自然気胸の術後再発率の検討には、追跡調査法や追跡率を明記した上で2年累積再発率を用いるのが現実的で有用であると思われた。
©Nankodo Co., Ltd., 2008