気胸・嚢胞性肺疾患の手術
難治性続発性気胸・高齢者気胸に対する手術の工夫 70歳以上の高齢者続発性気胸に対する外科治療
川島 修
1
,
懸川 誠一
,
伊部 崇史
,
中野 哲宏
,
清水 公裕
1国立療養所西群馬病院 呼吸器外科
キーワード:
開胸術
,
気胸
,
胸腔鏡法
,
術後合併症
,
肺気腫
,
肺腫瘍
,
後向き研究
,
治療成績
,
BMI
,
肺炎-間質性
,
Kaplan-Meier法
Keyword:
Lung Neoplasms
,
Pneumothorax
,
Postoperative Complications
,
Pulmonary Emphysema
,
Retrospective Studies
,
Thoracoscopy
,
Thoracotomy
,
Body Mass Index
,
Treatment Outcome
,
Lung Diseases, Interstitial
,
Kaplan-Meier Estimate
pp.299-303
発行日 2011年4月1日
Published Date 2011/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2011160938
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外科治療を行った高齢者続発性気胸35例(男31例・女4例・72~87歳)について検討した。初発症状は呼吸困難30例、胸・背部痛3例、その他2例で、基礎疾患は肺癌4例、悪性胸膜中皮腫1例、非結核性抗酸菌症2例、塵肺1例、間質性肺炎7例、肺気腫20例であった。手術は小切開+胸腔鏡補助下に行い、麻酔および手術時間の短縮に努め、責任病変の最小限の処置にとどめた。手術時間は平均65分、胸腔ドレーン留置期間は4.0日であった。手術死・在院死は計5例で、術後再発は5例に認め、3例に再手術を行った。手術死亡3例はそれぞれ間質性肺炎の治療中、悪性リンパ腫治療後の肺線維症、肺気腫+慢性閉塞性肺疾患に発症した症例で、在院死2例は肺癌術後肺気腫の治療中、間質性肺炎治療中に発症した症例であった。退院後の経過観察中に15例が死亡し、肺炎による呼吸不全6例、肺癌2例、急性心不全2例、間質性肺炎急性増悪、悪性胸膜中皮腫、舌癌、消化管出血、老衰各1例であった。術後1年生存率は65.7%、3年48.7%、5年41.7%、10年15.7%であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2011