気胸・嚢胞性肺疾患の手術
さまざまな気胸に対する手術とその工夫 自然気胸に対するソフト凝固法を用いた嚢胞焼灼術
山本 真一
1
,
大谷 真一
,
光田 清佳
,
遠藤 哲哉
,
長谷川 剛
,
遠藤 俊輔
1宇都宮社会保険病院 呼吸器外科
キーワード:
気胸
,
胸腔鏡法
,
再発
,
電気凝固
,
肺切除
,
後向き研究
,
治療成績
,
肺嚢胞
Keyword:
Electrocoagulation
,
Pneumothorax
,
Pneumonectomy
,
Retrospective Studies
,
Recurrence
,
Thoracoscopy
,
Treatment Outcome
pp.266-270
発行日 2011年4月1日
Published Date 2011/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2011160929
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自然気胸に対し胸腔鏡補助下手術を施行した104例105側のうち、ソフト凝固法を用いないで部分切除術を行った64側(男50側・女14側・平均35.5歳:A群)と、ソフト凝固法のみで手術を終了した20側(男16側・女4側・平均37.0歳:B群)の成績を比較した。A群は自動縫合器で嚢胞処置を、B群はスパチュラ型モノポーラ電極またはバイポーラ電極を用いて嚢胞焼灼を行った。手術に起因する合併症はなく、ソフト凝固法適用部位はすべて白色調の蛋白凝固変性がみられた。全例で気瘻の残存はなかった。両群間で年齢、性別、喫煙歴、身長、体重、BMIに有意差はなく、平均処置部位数はA群1.3ヶ所/側、B群2.1ヶ所/側で、B群が有意に多かった。平均手術時間はA群62.2分、B群63.5分、出血量はそれぞれ17.8ml、18.5ml、ドレーン留置期間は1.7日、1.7日で、いずれも有意差はなかった。再発はA群3例、B群2例に認め、B群はいずれも60歳以上で、術後2週間以内に再発していた。
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