発行日 2006年2月1日
Published Date 2006/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006128224
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例は在胎40週1日に3525gで出生した男児で,出生直後より全身性チアノーゼを認め,生後7時間で搬送された.陥没呼吸を認めたが,心雑音はなく,心エコーでは左房への肺静脈還流は認められず,共通肺静脈は非常に小さく,CPVからの垂直静脈は存在しなかった.カラードプラにて上大静脈内への血流の流入を認めたが,走行は確認できなかった.他の心内奇形は認められなかった.高度肺静脈狭窄を合併した総肺静脈還流異常或いは共通肺静脈閉鎖の診断により生後11時間に手術を行った.手術所見では,共通肺静脈は垂直静脈が起始しておらず,共通肺静脈閉鎖が示唆された.樹枝状の左右肺静脈は2本ずつあり,延長して左房に吻合し,次いで心房中隔欠損を閉鎖し,二期的に閉胸して手術を終えた.奇静脈流入部付近に垂直静脈と思われる血管を見出したが,胸腔内に向う形態を示し.その走行を追うことはできなかった.術後の経過は良好であり,早期介入が奏効したと思われた
©Nankodo Co., Ltd., 2006