悪性胸膜中皮腫の診断と治療
悪性胸膜中皮腫診断の現状と問題点
細川 誉至雄
1
,
松毛 眞一
,
林 浩三
,
田尾 嘉浩
,
中野 亮司
,
剣持 喜之
,
伊志嶺 篤
,
村上 洋平
,
鹿野 哲
1北海道勤医協札幌病院 外科
キーワード:
石綿肺
,
胸腔鏡法
,
胸膜腫瘍
,
職業性曝露
,
中皮腫
,
針生検
,
ビデオ下胸腔鏡手術
Keyword:
Asbestosis
,
Biopsy, Needle
,
Mesothelioma
,
Pleural Neoplasms
,
Thoracoscopy
,
Occupational Exposure
,
Thoracic Surgery, Video-Assisted
pp.14-18
発行日 2007年1月1日
Published Date 2007/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007110122
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1989年~2005年に悪性胸膜中皮腫(MPM)と最終診断された21例(男18例、女3例、年齢29~86歳)を対象に、各種診断法における組織診断について検討した。CTまたはエコーガイド下針生検を行った5例中2例(40%)に上皮型の診断がつき、他の2例にはMPMの診断ができず1例は局所麻酔下胸腔鏡で上皮型と、もう1例は状態悪化し剖検で肉腫型と診断した。胸腔鏡下生検は12例(胸腔鏡補助下手術3例、局所麻酔下9例)に行い、9例(75%)に診断がついたが診断のつかない3例は局所麻酔下胸腔鏡によるものであった。胸壁生検では1例が肉腫、術前良性疾患と診断し開胸生検した1例では二相型、自然気胸で偶然胸腔鏡補助下手術を行った2例が上皮型と診断され、全体の21例中15例が初回でMPMと診断し得た。以上より、局所麻酔下胸腔鏡は有用な検査方法であるが、肉腫型中皮腫の診断は小さな組織切片では困難な場合があり胸腔鏡補助下手術を含めた検討が必要と考えた。
©Nankodo Co., Ltd., 2007