悪性胸膜中皮腫の診断と治療
悪性胸膜中皮腫の術前評価と手術適応
奥村 好邦
1
,
田中 文啓
,
長谷川 誠紀
,
福岡 和也
,
中野 孝司
1兵庫医科大学
キーワード:
石綿肺
,
胸腔鏡法
,
胸膜腫瘍
,
術前診断
,
中皮腫
,
Fluorodeoxyglucose F18
,
ビデオ下胸腔鏡手術
,
陽電子放射型断層撮影
,
腹部CT
Keyword:
Asbestosis
,
Mesothelioma
,
Pleural Neoplasms
,
Thoracoscopy
,
Fluorodeoxyglucose F18
,
Thoracic Surgery, Video-Assisted
,
Positron-Emission Tomography
pp.25-29
発行日 2007年1月1日
Published Date 2007/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007110124
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早期悪性胸膜中皮腫に行われる胸膜肺摘除術は極めて大きな侵襲と危険を伴い治癒率も満足すべきものでないことから手術適応の決定は慎重に期すべきと考え、当院における術前評価と手術適応の決定方法について報告する。2005年7月~2006年4月にアスベスト外来を受診した患者は168例で、胸水穿刺・胸腔鏡(VATS)生検による悪性胸膜中皮腫の診断は28例、胸部CT・FDG-PETなどの精査で潜在的に手術適応となりうるstageI~IIは5例であった。5例中3例に胸膜肺摘除術を完遂し術後抗癌薬治療へ進むことができた。1例は対側胸腔の転移を術前検査で認め、また1例は摘除術施行中にリンパ節および前縦隔の脂肪織内の転移を認め試験開胸のみとなった。完遂した3例中にも術中に#3aのリンパ節を認めたが、家族と方針を再確認した上で手術を施行した例も含まれている。
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