悪性胸膜中皮腫の診断と治療
悪性胸膜中皮腫に対する胸膜肺摘除術
諸星 隆夫
1
,
山本 健嗣
,
永島 琢也
1横須賀共済病院 呼吸器外科
キーワード:
横隔膜
,
胸腔鏡法
,
胸膜
,
胸膜腫瘍
,
外科用ステープラー
,
術後合併症
,
心房細動
,
心膜
,
中皮腫
,
肺切除
,
リンパ節郭清
,
後向き研究
Keyword:
Atrial Fibrillation
,
Diaphragm
,
Mesothelioma
,
Lymph Node Excision
,
Pericardium
,
Postoperative Complications
,
Pleura
,
Pleural Neoplasms
,
Pneumonectomy
,
Surgical Staplers
,
Retrospective Studies
,
Thoracoscopy
pp.40-44
発行日 2007年1月1日
Published Date 2007/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007110128
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1994年6月~2006年2月に胸膜肺摘除術(EPP)を施行した悪性胸膜中皮腫14例(全員男、年齢30~71歳)を対象に臨床経過や予後を検討した。組織型は術前評価で上皮型(E)12例、二相型(B)1例、肉腫型(S)1例であったが、術後は8、5、1例で病期分類はInternational Mesothelioma Interest Group(IMIG)でstage IIが3例、IIIが8例、IVが3例であった。合併症による死亡2例を除き、12例中9例は再発して8例は原病死(最長67ヵ月)し、2年生存率33%、3年25%、5年8.3%で中間生存期間20.2ヵ月であった。組織型別ではB+S群の6例中5例が2~10ヵ月以内に再発死亡しEより予後不良傾向にあり、腫瘍遺残の有無別では遺残なしが良好であった。4例は腫瘍の遺残なく切除断端陰性であったが、1例で局所再発し放射線照射後生存中で残る3例はいずれも上皮型、pT2:2例、pT3:1例で47、26、7ヵ月無再発生存中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2007