悪性胸膜中皮腫の診断と治療
びまん性悪性胸膜中皮腫の治療経験
葛城 直哉
1
,
白石 裕治
,
喜多 秀文
,
砥石 政幸
,
宮坂 善和
,
田中 さゆり
1結核予防会複十字病院
キーワード:
石綿肺
,
胸膜腫瘍
,
職業性曝露
,
中皮腫
,
肺切除
Keyword:
Asbestosis
,
Mesothelioma
,
Pleural Neoplasms
,
Pneumonectomy
,
Occupational Exposure
pp.35-39
発行日 2007年1月1日
Published Date 2007/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007110127
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1997年1月~2002年12月に経験したびまん性悪性胸膜中皮腫の11例(男9例、女2例、年齢55~90歳)を対象に臨床像を検討した。症状出現から初診までの期間の平均値は1(0~6)ヵ月で、組織型は上皮型6例、肉腫型2例、二相型1例、不明2例で、病期はstage IIが6例、IIIが3例、IVが2例で、確定診断までの期間は中央値1(0~3)ヵ月であった。治療は胸腔内局所化学療法4例、胸膜肺切除3例、胸腔ドレナージ2例、対症療法2例で、転帰は死亡9例、生存2例であった。症状出現から転帰確認までの期間は3~53(平均14)ヵ月、中央値8ヵ月で、生存率は6ヵ月55%、1年24%、2年12%であった。初診から転帰確認までの期間は2~52(平均12)ヵ月、中央値5ヵ月で、生存率は6ヵ月36%、1年24%、2年12%で、確定診断から転帰確認までの期間は0~51(平均9)ヵ月、中央値3ヵ月で生存率は6ヵ月27%、1年14%、2年14%であった。11例中7例(64%)は初診から6ヵ月以内に死亡し、確定診断から2年以上生存したのはIMIG分類T2N0M0・stage II・上皮型、心肺機能が良好で完全に右胸膜肺摘除ができた1例(9%)であった。
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