悪性胸膜中皮腫の診断と治療
全国アンケート調査による本邦の悪性胸膜中皮腫に対する外科治療成績
東山 聖彦
1
,
森永 謙二
1大阪府立成人病センター 呼吸器外科
キーワード:
質問紙法
,
胸膜腫瘍
,
中皮腫
,
肺切除
,
アジュバント化学療法
,
生存分析
,
治療成績
,
比例ハザードモデル
,
ネオアジュバント療法
,
放射線化学療法
Keyword:
Mesothelioma
,
Pleural Neoplasms
,
Pneumonectomy
,
Surveys and Questionnaires
,
Proportional Hazards Models
,
Survival Analysis
,
Treatment Outcome
,
Chemotherapy, Adjuvant
,
Neoadjuvant Therapy
,
Chemoradiotherapy
pp.19-24
発行日 2007年1月1日
Published Date 2007/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007110123
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1997年~2002年に胸膜中皮腫(MPM)と診断され治療的外科切除にかかわった132例(男112例、女20例、年齢34~78歳)を対象に調査を実施した。組織型は上皮型87例(70%)、肉腫型10例(8%)、二相型26例(21%)、特殊型2例、不明7例で、手術術式は胸膜肺摘除術(EPP)73例(55%)、肺切除+胸膜剥皮術15例(11%)、胸膜剥皮術35例(27%)、胸膜腫瘍切除術9例(7%)であった。病理学的手術根治度は遺残なし83例(65%)、遺残あり44例(35%)、不明5例であり、術後成績は1年生存率54%、2年生存率33%、3年生存率21%で、転帰は91例(69%)に腫瘍の再燃・再発を認め、74例が死亡し、原病死が65例、手術関連死6例であった。臨床病理学的因子別に検討すると病理病期、組織型、病理学的根治度、術後補助療法施行が術後生存率に有意に影響し、術式、性別年齢における差は認められなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2007