発行日 2004年10月1日
Published Date 2004/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005051661
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1988年から2003年5月までに胸膜肺摘除術(EPP)を施行した悪性胸膜中皮腫(MPM)5例についての治療経験を報告した.患者背景は男4例,女1例(平均年齢55.2歳),3例がアスベスト曝露歴を有しており,組織型は上皮型3例,二相型2例,IMIG病期分類ではIb期1例,III期4例であった.全例,後側方から開胸して肺癌に準じたリンパ節郭清(ND2b)を行い,根治性は完全切除4例,非完全切除1例であり,主要合併症2例(40%)と周術期死亡1例(20%)を認めた.また,術後補助療法として放射線療法を行った2例のうち1例は術後10年以上無再発生存中であり,1例は腫瘍死されたものの剖検の結果,照射が行われた右胸腔内に再発は認められず,EPP後の補助放射線療法による局所制御の可能性が示唆された.EPPの適切な患者選択,手術侵襲の軽減および補助療法の検討が今後の課題であると考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2004