発行日 2009年7月1日
Published Date 2009/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009296156
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
58歳女。右胸部不快感で近医受診し、右多量胸水を認め局所麻酔下胸腔鏡で悪性胸膜中皮腫(MPM)と診断され、当院紹介となった。前医X線で多量の右胸水貯留を認めたが胸水穿刺後のX線で明らかな異常は認めず、MPMマーカーのオステオポンチンのみが高値を示し、CTでも胸壁、肺内に明らかな異常所見は認めなかった。前医での胸腔鏡で横隔膜直上壁側胸膜表面に米粒大の腫瘍、胸水細胞診で悪性細胞を認め、胸膜生検病理より上皮型MPM、T2aN0M0、IA期と診断した。横隔膜、腹膜を部分的に切除し右胸膜肺摘除術を施行し、横隔膜はGore-Texメッシュで再建した。壁側胸膜に1cm以下の腫瘤を1つ認めるのみで、病理所見より上皮型MPM、病期IA期と病理診断した。術後経過は良好で術後化学療法cisplatin+gemcitabineを行い、術後9ヵ月再発なく生存中であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2009